キトロロギストXの記録
激しく変化する昨今のもとで一生をカンキツ研究に捧げてきた老学者の独白を広く一般のカンキツ愛好家(キトロロマニア)に聞いていただきたくブログを開設しました。お閑な時にどうぞ目を通してください。
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カンキツの果皮成長を動かす接ぎ木台木
kahiatutugi-台木種類

 ご存知のように、カンキツは台木に接ぎ木した状態で栽培します。すべてがクローン栽培です。このことから、台木の種類で、樹の生長や果実の品質が大きく影響を受けます。どの国でも、ベストな接ぎ木種類組み合わせを求めて、接ぎ木試験がなされてきました。世界中で、同じ種類の台木が使われているわけではありません。品質向上への台木効果に期待して、とくに果皮割合をコントロールできないか、これまでの成績をもとに検討してみました。

kahiatuugi無機物

1)果皮の無機成分量への台木効果
  台木効果は、穂木との接ぎ木親和性、土壌適合性、養水分の吸収能力、台木のアブシシン酸(ABA; 植物ホルモンの一種)やサイトカイニン(CK;植物ホルモンの一種)の生成能力などで発揮されます。
 台木の違いで、果皮への無機養分吸収がどのように異なるか比較してみました。ワシントンネーブルの果皮の無機成分量の違いをみましたところ、N、P、Mgなどと比較して、台木間のカリウム(K)含量の違いが顕著でした。とくにカラタチ台木を使った時の果実の果皮には、Kの高い濃度が認められました。

kahiatuugiカジュウ
kahiatuugi硬度

2)果実形質への台木効果
 興津早生へのカラタチ、ヒリュウ台木の効果は、果重がやや小さくなりましたが、果皮が薄くなり、糖度、酸度が高くなりました。みかんを含めたマンダリンには、カラタチ、ヒリュウ、サワーオレンジを台木使用すると、滑らかな薄い果皮の果実を生産できることが分かりました。ただし、サワーオレンジは、日本ではトリステーザウイルス汚染のために使用できません。クレオパトラマンダリンやラングプアオレンジ、さらには、トロイヤーシトレンジなどは、品質の優れたみかん果実で、収量もあるのですが、果皮が粗く厚くなりました。

kahiatuugiABA含有量序列
kahiatuugiABA実生
kahiatuugi接ぎ木ABA

3)ABA量への台木効果
 台木効果の多くは、根の根端の根冠でみられるアブシシン酸(ABA)生成能力が、台木の種類の間で異なるところから発揮されることが、わかってきました。この植物ホルモンは1967年に認定されて以来、種子の休眠、気孔の閉鎖など多くの生理作用の誘導に関わることが、認められています。そして、地上部では色素体で、地下部では根端で合成され、維管束移動で樹体に広く含有量がみられます。
 カンキツの葉や根を分析しますと、部位や条件の違いで0.8から4.5 nmol/g FW程度の濃度の差が知られましたが、多くの場合、葉の濃度が根の濃度を上回りました。
 カラタチ実生では、葉のABA濃度が高く認められました。接ぎ木樹では、スンキ台のバレンシアオレンジの葉に1.9 nmol/g FW 程度、ラフレモン台のバレンシアオレンジの葉に1.1 nmol/g FW程度のABAが認められ、土壌乾燥条件では、さらに、5割程度の濃度上昇がみられました。土壌乾燥はABAの地上部の含有量を高めることが分かりました。

kahiatuugiABAと無機

 地上部のABA濃度とNとKの濃度とは、高いプラス相関関係がみられましたので、果実品質向上のためには、地下部の高いABA生成能力の台木種類の選択と、ABA生成を有利にする土壌環境に整える必要がありそうでした。
 日本のカラタチ台木使用は、高いABA濃度、高いカリウム濃度を通して、品質向上に貢献していることが明白でした。今後、ABAの分析法が簡易化、一般化し、さらに、データ、情報が蓄積されると、カンキツの果皮とABA濃度とカリウムの関係がより理解されるようになることでしょう。
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みかん果皮を薄くする肥料要素
kahiatu電顕果皮
 
ウンシュウミカンでは、外観の美しい果皮の薄い扁平な果実が、おいしいといわれています。さらに、袋(じょうのう)膜が柔らかく、ベシクル(しゃじょう)の柔らかい果肉が、高い甘さをもつとされています。
 手頃な大きさ(100g位の手のひらサイズ)で、容易に果皮が剥けて、油胞からの精油で手が汚れることのないみかんは、日本人の食習慣に最も適合したカンキツでしょう。果皮の生長は、施肥によって左右されていますので、果皮の生長と肥料要素の関係を検討してみました。

kahiatu果重と果皮厚

1)みかんの果皮の厚さの分布
 商品としてのみかんの皮の厚さはどのくらいあるか、市販の果実で測定しますと、最大で4.5mmから最小で1.4mm(果実の赤道部を測定)ありました。果皮の厚さには、品種系統間で違いがみられ、早生系統ほど薄い傾向がありました。また、極めて薄い極早生系統の間にも、同じような栽培条件の下で、日南1号1.5mm、今田早生2.5mmなどと極早生系統間でも差異があり、果皮の厚さは遺伝形質とみなされました。
 しかし、同じ系統を同じ園地で異なった栽培条件で生産しますと、果皮の厚さは大きく変動しました。また、マーケットで売られている同じ系統の果皮を測定しましたところ、産地の違いが相当大きく影響していることを知りました。

kahiatu果皮の生長
kahiatu果皮と形質相関

2)肥料要素と果皮の生長
 みかんの品質は、肥料の施用量や3要素(窒素N、リン酸P、カリウムK)の施用割合の違いで、左右されます。とくに、果皮の厚さは、開花100日後くらいまでで決まり、その後の変化は少ないので、元肥の施肥量、3要素割合などの元肥の施肥技術の影響を大きく受けます。
 そこで、3要素の施肥設計で、果皮に影響する要素を特定しました。その結果、普通温州樹では、カリウム成分を除いた施肥の累年効果が、最も大きく果皮や果肉のN,P,K要素欠乏として現れることを知りました。

kahiatuバレンシア試験
kahiatu-厚さと酸度

3)カリウム欠乏園地の果皮の生長
 普通、みかんの肥料試験は、樹木であるところから、大規模な試験設計で行うのがむつかしいものです。アメリカのカリフォルニアでは、バレンシアオレンジを使ったN,P,K要素欠乏の長期な大規模試験が行われました。その結果をみますと、カリウム施用の少なかった園地で、果重、果皮重、果汁酸度に影響が最も大きくあらわれ、とくに、果皮重には、カリウムとリン酸の欠乏が、大きく影響しました。
 カリウムは、樹体内ではほとんどが水溶性で、有機酸などと結合した形で存在しています。カリウムは分裂組織でタンパク合成にかかわり、開花後の急速なDNA 増殖にリン酸とともに必須な成分となっています。今後、この点を確かめるために、みかんの開花後60日までの果実の細胞分裂期のカリウムレベルと果皮形成との関係を、細かく研究する必要がありそうです。

 施用量については、樹体への肥効が問題であり、園地の土性(肥沃度、根域の浅い深い、施肥法など)、樹性(系統、樹齢,樹の大きさなど)、春先の気象(雨量、気温など)などを広く考慮する必要があります。肥効をみるには篤農的感覚が肝要でしょう。みかんの成木では、10アール当たり4トンどりとして、窒素25-30㎏を施用していますが、カリウムはその6-7割程度の施用がなされています。注意すべきことは、カリウムはカルシウムと拮抗関係にあり、やたらに割合を増やすと、果実の品質劣化となります。

 これらのことから、果皮の薄いみかん作りには、元肥のカリウム肥効の検討がきわめて大切なようです。薄い果皮の袋ごと食べられるみかんを栽培し、日本のブランド品として輸入マンダリンとの差別化をはかりたいものです。

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カンキツの袋ごとほおばれる膜の硬さを知る
makukodo2側壁膜

 カンキツを袋(じょうのう;segments)ごと食べれるか否かは、袋の膜の硬さに左右されています。どの程度の袋膜の硬さまで食べられるかは、ヒトそれぞれと思いますが、呑み込める硬さの限界はあるものと思われます。文旦の袋膜を食べているヒトはいませんし、ハウスミカンの袋膜をむいて食べているヒトには、めったにあいません。そこで、袋膜の組織構造の種類ごとの違いを観察して、膜の硬度との関係をこれまでみてきましたので、データをもとに袋ごと食べれる膜構造とはどのようなものか、イメージとしてまとめてみました。


makukodo2硬度序列


1)カンキツ種類の側壁膜硬度の相違
 側壁膜の硬度は、5kg以下の硬度を示し、種類によって大きく異なりました。平均値で比べますと、用いた種類の中では、ハッサクが最大の硬度計示度(平均値4.8㎏/cm2)を示し、富柑が最低(1.1㎏/cm2)でした。みかんは栽培条件や系統の違いで、大きな硬度の違いをみせました。食感としては、硬度2から1㎏/cm2以下の袋は、どの品種でも違和感なく袋ごと食べることができました。因みに、バナナの硬度は、2㎏/cm2程度で、古くなるとメルテイになります。

makukodo2膜厚相関

2)側壁膜の硬度と解剖形質
 側壁膜の組織構造は、種類によって異なりました。側壁膜は、すべて棒状の柔細胞で構成されていましたが、側壁膜の厚さは、①棒状細胞の太さと、②膜層の細胞数と、③細胞間にある分泌肥厚物質の量の3要件で決定されていて、種類ごとに大きな変異をみせました。
 側壁膜の厚さは、100-400μmの範囲にありました。また、棒状細胞の幅は、10-30μm程度の範囲にありました。

makukodo2相関

3)側壁膜の硬度と解剖形質との相関関係
 カンキツ全体としては、硬度は、側壁膜の厚さ、さらに、棒状細胞の幅と間に、高い相関係数が得られませんでした。しかし、ウンシュウミカンの系統間では、前者で弱いプラスの、後者で弱いマイナスの相関関係がみられました。
 注目できたことは、果皮の2次油胞の数と、側壁膜の硬度が、プラスに相関していたことでした。このことは、側壁膜の硬度が、種類本来の性質であると同時に、果実成熟の後半にあたる膜の肥厚過程で左右されていることを物語っているものと思われました。さらにこのことは、側壁膜の厚さと膜厚の層細胞数が高い相関関係にあったのに対して、膜厚の層細胞数と細胞幅の間に相関関係がなかったことからも、推定できました。

 これらの結果から、袋ごと食べられるカンキツの要件には、①袋の側壁膜の層細胞数が少なく、膜が薄いこと、②隔壁膜の棒状細胞が太いこと、③細胞間にペクチンやリグニンなどの分泌物質の少ないことの3事項が関与しているといえました。柔らかい袋膜の果実の生産に向けて、これらの三要件にかかわる生理生態的栽培法を研究し、できるだけ早熟性の種類を育成することが、これからのカンキツ栽培に極めて重要であることを指摘することができました。
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みかんの袋膜の解剖で明らかになったこと
makumatome-膜段目

 みかんを袋ごと食べると、袋膜から機能性成分をたくさん摂れ、健康増進になることを述べてきました。しかし、袋ごと食べられるようにするには、呑み込み易い果実袋膜の特性を明らかにして、さらに、そのような果実をいかにして生産するかが問題でした。これまで、袋膜の側壁膜の硬さを測定し、また、側壁膜の解剖を行いましたが、測定結果がどのようなことを明らかにしたのかまとめてみました。

makumatome厚―硬度makumatome幅―硬度


1)側壁膜の厚さは硬度と比例しない
 市販の前期ハウスミカン(7月末までの)の150果実を用いて、袋の側壁膜の硬度を測定しましたところ、硬度は、1kg/cm2から3㎏/cm2の範囲にありました。2㎏以下の硬度の袋は、袋ごと容易に食べられました。袋の側壁膜の厚さは、50から250ミクロメータの範囲にありましたが、前期ハウスミカンの膜の厚さは、硬度と比例していませんでした。
 また、側壁膜を構成している棒状細胞の幅は、9から15ミクロメータの範囲にあり、幅の狭い細胞構成で硬度が低くなるという傾向も、定かでありませんでした。
 これらのことから、食べやすいハウスミカンの袋膜は、側壁膜の硬さが2kg 以下ならば容易に呑み込めること、また、膜の細胞間に分泌されるセルロースやペクチンなどからなる細胞壁の性状が、硬度を支配していると推定しました。このためには、今後さらに、肥厚に関わる細胞外のアポプラスチックスペースのミクロ分析を必要としました。

makumatome厚―糖度

2)側壁膜の厚さが薄いと果肉の糖度が高いー果実形質間の相関関係
 前期ハウスミカンの糖度は、11から16%の範囲にありました。傾向として、膜が薄いと糖度が高いという関係が認められました。有意なマイナス相関関係にありました。また、厚い側壁膜の袋には、ベシクルが多数含まれているという、傾向が明らかになりました。また、側壁膜の厚さと果皮の厚さとの間には、プラスの相関関係が認められました。

makumatome膜層相関

3)側壁膜の細胞数で諸形質の主要な生育時期が類推できる
 一般に、みかんの果実の生育では、細胞分裂が満開後の60日程度までに終わり、その後は細胞肥大で伸長成長をして成熟果になるという発育を遂げます。つまり、発育に、細胞分裂期の前期と細胞肥大期の後期の2つのフエーズがあります。
 側壁膜を構成する細胞数は、膜の厚さを棒状細胞の細胞幅で除した数値で推定できます。さらに、この数値は側壁膜の細胞分裂頻度を意味しています。そこで、細胞分裂数を示すこの数値と、他の多くの果実形質量との間の相関係数を求めて、形質の決定時期が前期にあるのか、あるいは後期にあるかを相関関係から推論しました。

makumatome膜―果皮相関
makumatome厚―ベシ

 その結果、果重をはじめ多くの量的形質は、この数値とあまり強い相関関係をもちませんでしたが、果皮の厚さや果皮率は、この数値と相関関係にありました。このことは、果皮に関わる形質が、前期の生育状況で主に影響を受けているといえるようです。
 また、側壁膜細胞数と側壁膜の硬度には、有意な相関係数が得られませんでしたので、ハウスミカンの側壁膜の硬度は、果実生育後期の成熟までの生理活動(生育後期の細胞間沈着のペクチンの量など)に、影響を受けていると推定できました。

 側壁膜の解剖結果から、袋ごと食べられるハウスミカンの栽培には、細胞と細胞との間に分泌してくるセルロースやペクチンなどの繊維物質の生合成能力を、コントロールする技術を会得することが肝要のようでした。最近の分析では、微量ですがリグニンのような木化繊維が袋膜から抽出されていますので、さらなる、細胞間のアポプラスチック環境の研究が必要となっています。
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アルシンボルドの絵画にみる果物たち
 
 アルチンボルド、G. (-1593年没)は、天才レオナルド・ダ・ビンチ(-1519年没)を生んだイタリアミラノ出身の画家で、果実、野菜、花、魚、本などで、イメージ肖像画を描いたことで知られた有名な画家です。国立西洋美術館でアルチンボルド展がありましたので、16世紀にどのような生鮮物が描かれたのか見学しました。

ancibold西洋美術館

1)アルチンボルドの生涯
 36歳の時、ハプスブルグ家の宮廷画家として雇われ、ローマ皇帝のマクシミリアン2世の下で、14年間、画業(今では写真家でしょう)につきました。この間に、16世紀で起こったマニェリズムの美術様式で描かれた「四季」を、作品として残しました。1576年に皇帝没後、神聖ローマ皇帝にルドルフ2世がつくと、11年間美術担当を担い、オーストリアウイーンの文化、チェコスロバキアプラハの文化に貢献しました。
 1587年61歳で宮廷を離れ、故郷のミラノで6年間過ごしたのちに、67歳で世を去りました。66歳の時、ルドルフ2世から伯の称号が下賜されました。パトロンのルドルフ2世は、1612年に逝去しましたが、アルチンボルドの作品は、皇帝没後の宮廷からことごとく逸散したとされています。
 
ancibold四季

2)「四季」に描かれた果物
 展覧会場でみたアルチンボルドの自画像や皇帝の肖像画は、極めて精緻に描かれていて、高い技量が伺えました。四季を描いた4枚の絵画では、春は、花だけで80もの種類でポートレートが描かれました。夏は、頬をモモ、顎を洋ナシで、鼻をキュウリで、瞳を完熟サクランボで、眉をむぎ穂で引いています。果物は、モモ、イチジク、洋ナシ、サクランボ、スモモ、ブドウ、ラズベリイ、ブラックべりイなどありました。
 秋は、頬をリンゴで、鼻を洋ナシで、瞳を黒ブドウで、唇をクリで、眉をむぎ穂で引いています。果物は、リンゴ、洋ナシ、ブドウ、ザクロ、オリーブ、クルミなど用いていました。冬は、顔全体が落葉樹の根で描かれ、唇はサルノコシカケでした。わずかにレモンが枝ごと、根にひっかけてありとても寂しい絵となっていました。使われていた果物は、レモンだけでした。
 アルチンボルドは宮廷の植物コレクションを自由に使える立場でしたので、意のままに観察、描写した張り合わせ作品ができたようです。

ancibold皇帝

3)「ウエルトウムヌスとしてのルドルフ2世」に描かれた果物
 アルチンボルドが晩年に描いたルドルフ2世のこのイメージ肖像画は、絵に春の花、秋の完熟果実が同時に描かれていて、皇帝の繁栄した治世を謳ったもので、皇帝にえらく気に入られたようです。後の宮廷画家アーヘンの描いたルドルフ2世の肖像画と並べてみると、とてもよく似た顔となっています。使われた果実は、リンゴ、ブドウ、サクランボ、洋ナシ、ザクロ、オリーブ、イチジク、スモモ、カランツ、ブラックベリイ、クリでした。

arucinbold欧州伝播

4)果物の種類から読み解く交易状況
 アルチンボルドの描いた果物は、落葉果樹と小果樹でした。熱帯果樹や亜熱帯果樹がないのは、ウイーンやプラハの宮廷に温室がまだ完備していなかったものと思われます。常緑果樹はレモンだけでしたが、レモンはアラブ人の手で1100年頃スペインに入り、その後イタリアの南部で栽培されていました。欧州になかったカンキツが、画家たちの手に容易に入るのは、ルネッサンス後のことでした。カンキツが加わると、もっと華やかな絵になったことでしょう。

5)アルチンボルド絵画の評価
 今評判のスペイン奇才画家のダリ(1904-1989)は、アルチンボルドを評して超現実主義画の先駆者としています。なぜ、当時このような工夫した絵を描かざるを得なかったのか、理解に苦しみます。展覧会主催者側では、皇帝ゆかりの事物で、皇帝を賛美する宮廷的寓意からだと書いてありました。そうだとしても、極めて正確に写生した果物達をみると、博物学盛んだった当時の植物を、写真家のように残そうとしたのではと思われました。会場を巡りながら、食べ物を顔に貼るのはもったいないと感じたのは、儒教や仏教のしみついた東洋人の感性でしょうか、芸術鑑賞とは程遠かったようです。
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