キトロロギストXの記録
激しく変化する昨今のもとで一生をカンキツ研究に捧げてきた老学者の独白を広く一般のカンキツ愛好家(キトロロマニア)に聞いていただきたくブログを開設しました。お閑な時にどうぞ目を通してください。
201710<<123456789101112131415161718192021222324252627282930>>201712
ハッサクのベシクル細胞の染色性と糖の吸収
plasuhassa新染色ベシ

 従来、細胞の液胞を、生きた状態で染め分ける染色剤として、ニュートラルレッドがよく用いられてきました。動物細胞では、リソゾームの染め分けに使われていますが、pH依存性があり、酸性側では黄色に、アルカリ性側では赤色に着色するとしています。カンキツのベシクルは、この染色剤を糖液に溶かし、外液として用いますと、着色時間が品種によって異なりますが、赤色に着色してきます。
 そこで、ハッサクのベシクルを、1日間、ニュートラルレッド色素混入の糖外液に浸漬した結果について、浸透関係をみてみました。

plasuhassa新2
plasuhassa新

1)着色差異
 ハッサクのベシクルは、1日経過後に、赤色に染まったベシクル(赤)と、頂部だけ着色した無着色(白)のベシクルに染め分けられました。そして、5%糖の低張液では、赤ベシクルが白ベシクルより、重さが重く、糖度が低いという関係を、長柄ベシクル、短柄ベシクルともに示しました。
 一方、30%糖の高張液では、赤ベシクルが白ベシクルより、重さが軽く、糖度が高いという関係を、長柄ベシクル、短柄ベシクルともに示しました。ベシクルへの水の出入り、糖の出入りが、外液の浸透圧で異なることを知りました。

plasuhassa新1
plasuhassa-新5

2)重さ、糖度の変化率
 そこで、ベシクルの重さと糖度について、1日間の変化率として計算し、作図してみました。その結果は、低張液では、染色されなかった白ベシクルは赤ベシクルに比べて、重さが軽くなる一方、糖度が高く維持されていることを知りました。
 また、高張液では、白ベシクルは赤ベシクルに比べて、重さの変化がほとんどなく、長柄ベシクルでは、糖度の変化もほとんどないことを知りました。しかし、短柄ベシクルでは糖度を高めていました。ベシクルが、高張液下で染色されないということは、生理活性を高く維持していて、正常な膜活動が行われているものと思われました。

plasuhassa新新細胞

3)顕微鏡下のベシクル細胞
 赤ベシクルの中央部の細胞を取り出し、生細胞と比較しましたところ、糖の存在のために、ニュートラルレッドによる液胞の確認はできませんでした。そこで、さらにエオシンYで細胞壁と原形質を染色しましたところ、赤ベシクル細胞は、ほとんどの容積を糖液で満たしていることを知りました。
 
 このように、ニュートラルレッドは、糖浸透性の異なったベシクルの染色選別を可能としました。また、高張液下で、糖の細胞への滲入が高まると、糖浸透圧への抵抗が弱まり、染色性を高めるものと思われました。そして、色素の浸透時間は、長柄、短柄のベシクルの違いで異なるとともに、品種によっても大きく異なるようでした。
スポンサーサイト
ランキングに参加しています。良かったら押してください。

FC2Blog Ranking

にほんブログ村 グルメブログ フルーツへ
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する

管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
copyright © 2004-2005 Powered By FC2ブログ allrights reserved.