キトロロギストXの記録
激しく変化する昨今のもとで一生をカンキツ研究に捧げてきた老学者の独白を広く一般のカンキツ愛好家(キトロロマニア)に聞いていただきたくブログを開設しました。お閑な時にどうぞ目を通してください。
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カンキツ果肉ベシクルの糖浸透生理の種類間差異
plasukanいろいろ果実

 カンキツ果肉ベシクルは、濃度の異なる糖水溶液から、異なる水の出入り、糖の出入りをみせる、いわゆる全透性の浸透生理を行うことを明らかにしてきました。そこで、この全透性の品種間の違いを比較してみましたところ、面白い知見を得ましたので、ご紹介します。

plasukan新重さ変化率

1)ベシクル重の変化
 1日間、各濃度の糖液に浸漬した後のベシクルの重さは、高濃度液で、いずれの品種も軽くなりました。そして、糖液の濃度の違いで急激に減量した品種群と、ゆっくりした減量をみせた品種群がありました。レモンとユズは急速な浸透をみせた品種でした。ハッサク、グレープフルーツはゆっくりとした浸透をみせる品種でした。

plasukan新糖度変化率

2)ベシクル糖度の変化
 1日間、各濃度の糖液に浸漬した後のベシクルの糖度は、いずれの品種も高濃度液で高くなりました。そして、大きく濃度をました品種群と、やや濃度をました品種群がありました。レモン、ユズは、大きな違いをみせた品種でした。水晶文旦、でこぽん、紅まどんなは、ゆっくりした変化をみせた品種でした。

plasukan-モデル図

3)ベシクルの糖浸透生理のモデル式
 全透性をもつベシクルは、外液の糖濃度の変化に対して、膜の膨圧で浸透圧ストレスを克服するための糖度(浸透圧)の増大、維持を果たす必要がありますので、外液の糖濃度に対して直線的に糖度を増す反応(Y=aX+b )を示します。
また、低張液下では、ベシクルから糖を滲出し、水を取り入れて外液との浸透圧バランスをとっていますが、しかし、高張液下では、外液から糖を取り入れて浸透圧ストレスを克服しており、細胞質(原形質)とくに液胞の水を排出し、細胞壁と細胞質の間に糖を滲入させる必要があります(細胞質凝縮、原形質分離)。その結果、ベシクルの重さは、外液の高張液下になると急激に低下してゆく反応(Y=aX2+bX+c)を示すようになります。

 このように、カンキツのベシクルの糖浸透性は、品種固有の反応パターンを持ち、反応パターンを参考にすると、甘果カンキツ、酸果カンキツ、大果カンキツ、小果カンキツなどのグルーピングが可能になりました。そして、モデル式のパラメータを参考にすると、目的とした品種の同定や選択ができるものと思われました。

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