キトロロギストXの記録
激しく変化する昨今のもとで一生をカンキツ研究に捧げてきた老学者の独白を広く一般のカンキツ愛好家(キトロロマニア)に聞いていただきたくブログを開設しました。お閑な時にどうぞ目を通してください。
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ナツダイダイにはベシクルがいくつありますか
natuvesi庭木

  夏蜜柑の呼称で、みかんとともに愛されてきたナツダイダイは、このところの国民の食文化の変化とともに、生産量を落としてきました。ナツダイダイは、江戸時代中期に山口県で見い出された品種ですが、ブンタンとなにかの品種との雑種と考えられています。西日本の気候によく合致し、4月から6月に成熟して、その風味のよさで全国的に栽培されてきました。また、昭和34年からは、枝変わりの早生の甘夏が普及し始め、年明けからマーケットに出回っています。早速、甘夏の果肉のベシクルの特徴を調べてみました。

natuvesi生産
natuvesiベシ数

1)ベシクル数
 343gの果実に3386個のベシクルがありました。果実が大きくなると個数が増大しましたが、限界個数は4000個程度と思われました。ハッサクの限界個数の3500個より、やや多く分化しているものと思われました。

natuvesiベシ重
natuvesi短柄率

2)袋の部位によるベシクルの違い
 袋には、60mg内外の長柄ベシクルと、10mg程度の丸形の短柄ベシクルがありました。袋の基部と頂部の部位間では、長柄ベシクルでは基・頂両端が大きく、短柄ベシクルでは同じような大きさでした。短柄数率は両端が低く、中央部は35%と高いものでした。しかし、短柄重率でみますと、20%以下で低く、袋部位間の差異は小さいものでした。ベシクルは、カロチノイドで薄く黄色に呈色していました。

natuvesi酸度
natuvesi糖度

3)袋の部位による糖度の違い
 袋の部位による糖度の違いは、みかんと同じような、袋の頂部ほど高いという糖度の濃度勾配を示しました。しかし、糖度はどの部位でも10%以下で、部位間の差異は小さいものでした。

natuvesiベシクル

 ナツダイダイは、平成40年代に40万トン弱の最高の生産量を遂げてから、デコポンなどの育成品種に押されて、平成22年には、4万トンの生産量に劇的に減少しました。現在では、主に、年寄りの買い求めるところとなっています。しかし、統計上の生産量は減少していますが、東京では庭木としていたるところで、とくに冬場に目につきます。地球温暖化や都市ヒートアイランド化で、良好な生育を遂げてきているものと思われます。かって、東京を襲った極東寒波のような冬将軍が、来なければいいのですがーーー。

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