キトロロギストXの記録
激しく変化する昨今のもとで一生をカンキツ研究に捧げてきた老学者の独白を広く一般のカンキツ愛好家(キトロロマニア)に聞いていただきたくブログを開設しました。お閑な時にどうぞ目を通してください。
201708<<123456789101112131415161718192021222324252627282930>>201710
イヨカン果肉にはベシクルがいくつありますか
iyobesi果実
iyobesi-変遷

 愛媛県特産のイヨカンは、平成18年頃から新しい育成品種に置き換えられつつあり、生産が4万トンほどに低下してきました。イヨカンは、早生で果皮のやや薄い宮内伊予に品種更新して、ブランドを保ってきたのですが、急上昇中の紅まどんなや甘平などの県育成の新品種の人気には、勝てないようです。しかし、イヨカンは、八朔や夏橙などと比べて果皮色がよく、店頭では見栄えする晩柑の一つです。宮内伊予の果肉に、ベシクルがいくつあるか測定しました。

iyobesiベシ数
iyobesi-ベシクル

1)ベシクル数
 344gの果実に6387個のベシクルがありました。果実が大きくなるとベシクル個数が増大しましたが、限界個数は7000個程度と思われました。ハッサクの限界個数の3500個、また夏橙4000個より、はるかに多い数でした。ベシクルには、脱水した扁平なベシクルが、混在して、多くみられました。

iyobesiベシ重
iyobesi短柄率

2)袋の部位によるベシクルの違い
 袋には、40mg内外の長柄ベシクルと、20mg程度の丸形の短柄ベシクルがありました。袋の基部と頂部の部位間では、長柄ベシクル、短柄ベシクルともに基部が大きく、頂部で小さくなりました。。短柄数率は両端が低く、中央部は40%と高いものでした。短柄重率でも同じく、中央部が高いものでした。ベシクルは、カロチノイドで薄く黄色に呈色していましたが、中央部がやや濃く呈色していました。

iyobesi糖度

3)袋の部位による糖度の違い
 袋の部位による糖度の違いは、袋の部位間に大きな違いがなく、みかんのように、頂部ほど高いという糖度の濃度勾配は、はっきりとしませんでした。しかし、やや両端が高く、長柄ベシクルが12-14%、短柄ベシクルが14-16%の高い糖度を示しました。

 周知のように、イヨカンはとても果皮が厚く、果皮率が35%程度もあります。果皮が厚いことは、脱水などの果肉の劣化を来しやすく、ポストハーベスト生理上の欠陥となっています。果肉の優秀さを長く保つ低温保蔵では、果皮の低温生理障害の虎班症が目につきます。なかなかデリケートなカンキツです。

スポンサーサイト
ランキングに参加しています。良かったら押してください。

FC2Blog Ranking

にほんブログ村 グルメブログ フルーツへ
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する

管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
copyright © 2004-2005 Powered By FC2ブログ allrights reserved.