キトロロギストXの記録
激しく変化する昨今のもとで一生をカンキツ研究に捧げてきた老学者の独白を広く一般のカンキツ愛好家(キトロロマニア)に聞いていただきたくブログを開設しました。お閑な時にどうぞ目を通してください。
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ブラッドオレンジにはベシクルがいくつありますか
blood新断面果汁

  ブラッドオレンジには、アントシアニンのデルフィニジン色素が、ベシクル細胞と表皮細胞(L-1)に含まれ、果汁を搾ると赤いジュースになります。この色素は、細胞の液胞に集積していて、水溶性ですので、液胞膜が破損すると外液に滲出してきます。ベシクル細胞の糖外液の浸透圧への反応を調べました。

blood新ベシ重
blood新糖度ベシ

1)ベシクルの色素着色
 7.4gの袋に、279個の長柄ベシクルと、128個の短柄ベシクルがありました。短柄ベシクルが全て着色していたのに対して、長柄ベシクルでは、着色と普通の無着色のベシクルが、混在していました。ベシクルの重さは、袋の頂部ほど軽く小さいもので、無着色のベシクルが着色に比べてより軽いものでした。また、糖度は、着色:無着色、基部:先端のいずれの違いでも、たいして違いがありませんでした。

blood新ベシクルアント
blood新糖変化

2)ベシクルの浸透反応
 砂糖を0%、10%、20%、30%含むニュートラルレッド(NR)液に、各50個の赤色着色の長柄ベシクルだけを浸漬しました。24時間後には、ほとんどのベシクルがNRで赤く染まりました。これらをあえて無染色ベシクルと染色ベシクルに分けて、ベシクルの糖度を比較測定しました。その結果、両者の糖の変化率の違いは小さいものでした。また、24時間後には、アントシアニン色素が、高張液下では、すべてのベシクルから溶脱、褪色しました。
 さらに、NR染色したベシクルの内部を解剖しましたところ、中央部の容積の大きなベシクル細胞は、褪色しており、しかも、NRで染色されていませんでした。

blood新細胞染色

2)ベシクル細胞のNR染色性
 そこで、アントシアニン色素着色したベシクルの中央部だけを摘出して、上のようなシリーズのNR液に組織染色しましたところ、1時間以内に、ベシクル細胞が速やかに赤く染色されました。しかし、黄色に染色される筈の原形質を、的確にとらえることができませんでした。
 
関連記事: ブラッドオレンジの果肉ベシクルの赤色素の膜輸送。15/05/05
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