キトロロギストXの記録
激しく変化する昨今のもとで一生をカンキツ研究に捧げてきた老学者の独白を広く一般のカンキツ愛好家(キトロロマニア)に聞いていただきたくブログを開設しました。お閑な時にどうぞ目を通してください。
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三宝柑にはベシクルがいくつありますか
sanbo新果実
sanbo収量

 三宝柑は和歌山特産のカンキツです。その出生については不詳ですが、徳川家紀伊の殿様の和歌山城に、1本の原木があったそうで、三方(さんぼう)に乗せて献上していたといわれていて、徳川時代には門外不出だったようです。1848年著の岡村尚謙「桂園橘譜」に初めて記載されました。
 昭和45年には、5000トンほどの多くの生産がありましたが、これをピークに現在では、主に和歌山県特産として700トンほどに落ちてきました。豊産で、環境耐性が強く、長いマーケット寿命を持った品種ですが、このところの東京の店頭には、めったに並びません。3月28日に果実が手に入りましたので、さっそく、ベシクルの調査に供しました。

sanboバし重

1)ベシクル数
 204グラムの果実に、2667個のベシクルがありました。限界個数は3000個程度と思われました。果肉に、ベシクルの外回りの自由果汁が少なく、さわやかな香りがありました。果皮が厚く、果肉率は60%程度でした。また、ベシクルはしっかりしていましたが、4分の1のベシクルがす上がりしていました。今年はす上がり果が多かったのではと思われました。

sanbo短柄率

2)袋の部位によるベシクルの違い
 袋には、40mg内外の長柄ベシクルと、20mg程度の丸形の短柄ベシクルがありました。ベシクルは、袋の基部と頂部の部位間で、大きさに違いがありませんでした。また、短柄率は、袋の中央部で高く、20~30%程度ありました。袋の基部で、短柄率が特に低い特徴がありました。

sanbo糖度さ

3)袋の部位による糖度の違い
 糖度は、9%程度あり、みかんと同じように袋では基低頂高の糖度であり、袋の部位間で緩やかな濃度勾配が知られました。また、長柄ベシクルと短柄ベシクルの濃度差が小さいものでした。

sanboベシす上がり
sanboすベシ率
sanboす上がりベシ

4)袋の部位によるす上がりベシクルの出現
 す上がりしたベシクルは、長柄ベシクルだけでみられ、袋のどの部位にも混在していました。そして、袋の基部と頂部両端で多く、ここでは、50%ほどのベシクルがす上がりしていました。また、す上がりしやすいベシクルは、多くが50mgを超えるほどの大きな重いものでした。

 三宝柑は、種子が多く、また、果皮がきわめて厚いなど難点を持ちますが、見た目には黄色のデコポンとよべるほど、果実の基部にネックをもつ特徴ある果実です。殿様の子孫繁栄に反するかもしれませんが、含核を減らし、果汁が多ければ、さわやかな風味を楽しめる、初夏のカンキツといえるでしょう。

関連記事;和歌山県のカンキツ。11/03/08.

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