キトロロギストXの記録
激しく変化する昨今のもとで一生をカンキツ研究に捧げてきた老学者の独白を広く一般のカンキツ愛好家(キトロロマニア)に聞いていただきたくブログを開設しました。お閑な時にどうぞ目を通してください。
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はるみ果肉のベシクル細胞の生体染色
harusome果実比較

 はるみは、昭和54年に清見にポンカンを交配して、実生の中から選抜命名された育成品種です。平成11年に登録されました。昭和47年に同じ組み合わせで生まれた不知火(デコポン)と姉妹に当たります。もっとも、平成25年の生産量は、デコポン4.4万トンに比べて、はるみ0.5万トンと少なく、人気はこれからというところです。はるみのベシクル細胞のニュートラルレッド(NR)色素の浸透性の特徴を、調べました。

harusome重さ糖度曲線
harusomeベシクル

1)ベシクルのNR染色性
 砂糖を0%、10%、20%、30%含むニュートラルレッド(NR)液に、果肉の長柄ベシクル各50個を浸漬しました。24時間後には、すべてのベシクルが赤く染まりました。ベシクルの重さと糖度の24時間後の変化率を測定しました。その結果、重さは外液糖度の濃度に従って減少し、一方、ベシクルの糖度は大きく増加しました。糖の吸収率と色素の浸透率は、デコポンをはるかにしのぎました。
 着色したベシクルの内部を解剖観察しましたところ、中央部の容積の大きなベシクル細胞は、染色されていませんでした。

harusomeベシ染め

2)ベシクル細胞のNR染色性
 そこで、ベシクル中央部だけを摘出して、上のようなシリーズのNR液に組織染色しましたところ、2時間以内に、とくに高張液でのベシクル細胞が速やかに染色されました。細胞壁は赤色に、細胞質は黄色にNR染剤で染め分けられ、外液に対する細胞質の反応が、観察できるようになりました。
 その結果、はるみでのベシクル細胞の原形質分離は、20%以上の高い糖の外液で、みられることが明らかになりました。。

harusome先端部棒細胞

 これらの変化は、細胞容積の小さい先端部や、外周部の棒状細胞では、知ることができませんでした。大きな液胞を持つベシクル中央部の細胞だけが、高張液の浸透にあった場合に、顕著に細胞質(原形質)を凝縮して、浸透圧ストレスに耐えているといえるようでした。
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