キトロロギストXの記録
激しく変化する昨今のもとで一生をカンキツ研究に捧げてきた老学者の独白を広く一般のカンキツ愛好家(キトロロマニア)に聞いていただきたくブログを開設しました。お閑な時にどうぞ目を通してください。
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カンキツ果実の側壁膜の硬さを測る
koudocグレープ果実

 カンキツ果実をむいて、じょうのう(袋)ごと食べようとしますと、果汁の味と袋の膜やベシクルの硬さが、食味として気になります。膜が硬すぎますと、さらに袋膜をむいてベシクル果肉だけを食しています。袋膜は、食物繊維の塊であり、できればヒトの栄養源として役立てたいものです。袋ごと食べられる果実を求めて、袋膜とくに側壁膜の硬度を、2,3のカンキツで比較、測定してみました。

koudoc種類間

1)側壁膜の硬度の種類間差
 市販の豪州産ネーブル、チリ産レモン、南ア産グレープフルーツを使って、それぞれの側壁膜の硬度を測定しました。そして、平均値として、ネーブル2.33、レモン4.22、グレープフルーツ1.76㎏/cm2の値を得ました。
硬度計は5mm径の圧子(プランジャー)を用いましたので、取り出した袋の中央部で比較しましたが、袋の先端部がやや低い硬度を示しました。

koudoc果実形質

2) 側壁膜の硬度と果実形質との相関
 側壁膜は、果実の形質の一つですので、その他の形質との相関を求めてみました。その結果、ネーブル、グレープフルーツいづれでも、果形の横径並びに果皮の厚さと、高い相関関係にあることが分かりました。果皮の厚い果実が、高い硬度の側壁膜を持っていました。

koudoc解剖形質

3)側壁膜の硬度と側壁膜組織構造との相関
 側壁膜の硬さは、構成細胞の棒状細胞の厚さや強さ、さらに構成細胞数で支配されているものと思われます。また、硬度計の貫通で示される、細胞同士の接着の強さにも左右されているものと思われます。そこで、先の解剖所見と硬度との相関関係を求めてみました。その結果、側壁膜の厚さが、硬度と関係があり、これらの果実では、側壁膜の構成細胞数の多いことが、高い硬度を示すことを明らかにできました。このことから、側壁膜の発生初期の細胞分裂状況を、検討する必要がありました。

 市販のネーブルやグレープフルーツを果皮をむいて袋ごと食べるヒトは見当りませんので、これらの果実の示した側壁膜の硬度は、可食域をすべて超えた値と思われます。ウンシュウミカンを含めて、袋ごと食べれる種類品種について、さらに硬度の差異を検討する必要がありました。
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