キトロロギストXの記録
激しく変化する昨今のもとで一生をカンキツ研究に捧げてきた老学者の独白を広く一般のカンキツ愛好家(キトロロマニア)に聞いていただきたくブログを開設しました。お閑な時にどうぞ目を通してください。
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紅まどんなの果実側壁膜の硬さを測る
benimado紅まどんな生産

 12月に入って、普通温州と出荷期を共にできる愛媛の特産カンキツの紅まどんなが、店頭にみられるようになりました。紅まどんなの栽培熱は高く、1500トンを超える集荷量になってきました。栽培方法も、屋根かけ法に加えて、ハウス栽培もみられるようになり、11月期の前進販売もみられそうです。剥皮が容易で、袋ごと食べられるこの品種の側壁膜の特徴を、調べてみました。

benimado硬度比較

1)側壁膜の硬度の差異 
 12月初旬の市販の紅まどんなの果実側壁膜の硬度は、0.8㎏/cm2から2㎏の範囲にありました。袋ごと食べられた早生温州と同程度の果実が、3分の1ほどみられました。硬度はともかく、私見として、ほとんどの果実が、袋ごと食べられる膜の硬さを示しました。

benimado相関図

2) 側壁膜の硬度と果実形質との相関
 側壁膜の硬度と、果実の形質との関係をみるために、相関係数を求めてみました。その結果、硬度は、果重、果形、果皮重、果肉重、室数、袋重などの諸形質との間に、有意な相関関係を持ちませんでした。大きくは、いずれもマイナス相関の関係にありましが、膜の硬度と果肉の糖度との間は、プラスの相関関係をみせました。

benimado棒細胞
benimado解剖比較

3)側壁膜の硬度と側壁膜組織構造との相関
 側壁膜の硬さは、構成細胞の棒状細胞の厚さや強さ、さらには、細胞同士の接着の強さに左右されているものと思われます。そこで、果実の大きさの違いで、硬度、棒状細胞の幅、側壁膜の厚さがどのように違うか、比較してみました。その結果、大果ほど硬度は低く、さらに棒状細胞の幅は小さいことを知りました。また、側壁膜の厚さとは、正の相関関係にあり、大果ほど厚い膜となっていました。紅まどんなでは、側壁膜の構成細胞数の多いことが、高い硬度を示したといえそうでした。

benimado隔膜膜

 食感としての食べ物の硬さは、なかなか複雑で、口内での砕け易さ、粘着性、喉ごし性など、異なった視点からの検討が必要でしょう。そのため、側壁膜の硬さを、硬度計の測定値がすべて示しているとは言い切れませんが、紅まどんなでも、袋ごと食べれるミカンと同様に、測定値1kg以下の硬度が、可食袋膜の示度といえるようでした。
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