キトロロギストXの記録
激しく変化する昨今のもとで一生をカンキツ研究に捧げてきた老学者の独白を広く一般のカンキツ愛好家(キトロロマニア)に聞いていただきたくブログを開設しました。お閑な時にどうぞ目を通してください。
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ポンカンの果実側壁膜の硬さを測る
ponkan切片
ponkan生産推移

 ポンカンは、これまで鹿児島県、愛媛県、熊本県、高知県、和歌山県の温暖な地域で、順調な生産を遂げてきました。芳香、酸味の柔らかさで、世界的には、ウンシュウミカンより人気のあるカンキツです。側壁膜の硬さがどの程度か、鹿児島県産と熊本県産の果実について調べてみました。 

ponkan硬度

1)側壁膜の硬度
 鹿児島県産の果実は、平均で果重170gで、硬度は4.22㎏ありました。熊本県産の果実は、136gあり、硬度3.18㎏でやや柔らかい隔壁となっていました。全体的には、2㎏から5㎏程度ありました。1㎏程度の食べられるウンシュウミカンには及ばず、袋ごとはすべて食べにくい果実でした。
 
ponkan相関

2) 側壁膜の硬度と果実形質との相関
 側壁膜は、果実の形質の一つですので、その他の形質との相関係数を求めてみました。その結果、果実側壁膜の硬度と、果重、果皮重、油胞数などの形質との間には、高い相関関係がみられました。また、膜の硬度と果肉率とはマイナスの相関関係にありました。

ponkan解剖

3)側壁膜の硬度と側壁膜組織構造との相関
 側壁膜はこれまでの品種と同様に、すべて棒状細胞で構成されていました。そこで、側壁膜の硬度と、側壁膜の厚さ、あるいは棒状細胞の幅との相関関係を求めてみましたところ、側壁膜の硬度は側壁膜の厚さと、高い正の相関関係にありました。側壁膜は平均で236μmと厚く、さらに、平均幅として14μmの棒状細胞で、細い細胞からなる組織構成となっていました。膜厚117μm、細胞幅16μmの袋ごと食べられるウンシュウミカンと比べて、膜の構造の違いが、より高い硬度を示したといえそうでした。

 順調に伸びてきたポンカン栽培でも、最近の品種間競争に打ち勝つためには、さらに一段の果実つくりに励む必要があるでしょう。ポンカンのうまさは、どなたも認めているところですが、消費者の求める商品としては、手が汚れない剥皮性、種無し性、袋ごと食べられる膜壁の可食性などを持つ果実に、さらに魅力を感じています。
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