キトロロギストXの記録
激しく変化する昨今のもとで一生をカンキツ研究に捧げてきた老学者の独白を広く一般のカンキツ愛好家(キトロロマニア)に聞いていただきたくブログを開設しました。お閑な時にどうぞ目を通してください。
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みかん果実の袋膜のフラボノイド量
flavomikan4組織別

 みかんを食べるときに、袋ごと食べれる柔らかい果実に出くわすと、とても幸せに感じます。まず、手が汚れない、捨てる量が果皮だけで少ないなどのほかに、ベシクルのうまさに加えて、袋膜の栄養を同時に摂れるのではと、何か期待するところがあります。
 みかんは果皮のフラべド、アルべド、果肉の袋膜、ベシクルの組織に分かれますが、組織別に栄養価が顕著に異なります。フラべドは香の精油やカロチノイドやビタミン(C,Bコンプレックス)にリッチな組織です。アルべドはペクチン、セルロース、フラボノイドなどの食物繊維のリッチな組織です。同じように、袋膜も食物繊維リッチです。ベシクルは、スクロース、グルコース、フラクトースなどの糖やクエン酸を含む果汁に富んでいます。
 袋ごと食べるということは、どの程度の量の栄養を多く摂ることになるのか評価のために、まず、フラボノイドについて検討してみました。

flavomikan組織別

1)組織別のフラボノイド含量
 みかん組織別には、アルべド新鮮重100gあたりに、2700mgのフラボノイドを含みました。次いで、フラべドでは1100mgみられ、さらに、袋膜には750mgありました。一方、ベシクルには、わずかに26mg含まれていました。フラボノイドはC6-C3-C6の炭素骨格の植物色素の一群で、植物だけが生成する物質です。4000種類以上ありますが、カンキツにはヘスペリジンなど主に28種類が報告されています。ベシクルに加えて、袋膜まで食べることになると、フラボノイドのいろいろな成分を、相当量摂取できることになりました。

flavomikan産地別

2)果実袋膜とベシクルの袋膜のフラボノイド量
 果実のMサイズ果(100g)には、ベシクルに18.6mgのフラボノイドが含まれていたのに対して、袋膜には38.5mg含まれていて、大きな違いがみられました。そこで、ハウスミカン、銘柄産地の早生温州、普通温州、東京産の早生温州、普通温州、さらに晩生の青島温州について、すべて100g果に換算した場合の、ベシクルと袋膜のフラボノイドの含有量を比較しました。その結果、袋ごと食べるメリットが、晩生の系統ほど、大きくなることがわかりました。

flavomikanハウスミカン

3)月別のハウスミカンの袋膜のフラボノイド量
 同じように、ハウスミカンの100g果に含まれるフラボノイド量を、月ごとに求めてみました。その結果、ベシクルには20mg程度含まれていたのに対して、袋膜には18mgから42mg含まれていて、月を追うほど袋膜の含有量が増大することを知りました。

flavomikan化学式

4)ヘスペリジンの含量
 ヘスペリジンは、みかんのフラボノイド成分中で最も多く含まれているフラボノールで、ヘスペレチンにラムノースとグルコースを持つ配糖体構造をしています。無味、無臭の水不溶性の化合物ですが、含有量は果実の組織別に大きく異なりました。フラべドではフラボノイドの84%、アルべドでは78%、袋膜では57%、ベシクルでは34%程度が、ヘスペリジンでした。
 ヘスペリジンは、抗酸化性を持ち、さらに、ヒトの毛細血管を保護する機能を持っていて、別名はビタミンPです。みかんを袋ごと食べられることは、このような薬効も期待できて、健康増進に資すること間違いなさそうです
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