キトロロギストXの記録
激しく変化する昨今のもとで一生をカンキツ研究に捧げてきた老学者の独白を広く一般のカンキツ愛好家(キトロロマニア)に聞いていただきたくブログを開設しました。お閑な時にどうぞ目を通してください。
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青島温州の果実側壁膜の硬さを測る
aosimamaku果実

 1月に入って、晩生温州の青島温州が出回るようになりました。青島温州の主生産県の静岡県では、平成5年ごろから、10万トン以上の青島温州を安定して生産してきました。市販の静岡産と長崎産の青島温州について、側壁膜の特徴を調べました。 

aoshimamaku生産量
aosimamaku硬度順

1)側壁膜の硬度の産地間差
 側壁膜の硬度は、やや長崎産が静岡産より硬く、2㎏から5㎏程度ありました。普通温州に比較して、極めて硬い膜でした。ほとんどの袋は、呑み込むのに困難でした。呑み込み易さは、早生温州、普通温州、晩生温州の順位になっていて、成熟期間の長いほど、高い硬度がみられました。

aosimamaku形質相関

2) 側壁膜の硬度と果実形質との相関
 側壁膜は、果実の形質の一つですので、その他の形質との相関係数を求めてみました。その結果、果実の袋数と袋の重さが、硬度と相関関係にありました。側壁膜は、袋数が9から12室にばらつく中で、袋数が少ないほど、高い硬度をみせたことになりました。

aosimamaku解剖形質

3)側壁膜の硬度と側壁膜組織構造との相関
 側壁膜の硬さは、構成細胞である棒状細胞層の厚さや細胞膜の強固さ、さらには、細胞同士の接着の強さに左右されているものと思われます。そこで、側壁膜の硬度と、側壁膜の厚さ、あるいは棒状細胞の幅との相関係数を求めてみました。その結果は、側壁膜の硬度は側壁膜の厚さとの相関関係は弱く、また、棒状細胞の幅とは負の相関関係にありました。このことから、棒状細胞がよく肥厚した側壁膜ほど、低い硬度を示したといえそうでした。

 青島温州の側壁膜の硬度の産地間差異が知られましたので、早生、普通、晩生と成熟期間の違いを考慮した、総合した検討が必要なようでした。厚い膜が高い硬度で、細い細胞で構成された膜ほど硬いだろうという、単純な考察は、青島温州では成立しませんでした。
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