キトロロギストXの記録
激しく変化する昨今のもとで一生をカンキツ研究に捧げてきた老学者の独白を広く一般のカンキツ愛好家(キトロロマニア)に聞いていただきたくブログを開設しました。お閑な時にどうぞ目を通してください。
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拡大するメキシコのカンキツ生産
mexico標高図 - コピー

 日本の5.2倍の国土(1.96億ヘクタール)を持つメキシコは、その50%を農用地としていますが、農業土地利用からみて、農用地はさらに拡大するものと思っています。その理由として、①熱帯から亜寒帯までの多様な気候帯を持ち、多様な作物の生産が可能であること、②アメリカ、カナダなど巨大な食料消費国に隣接して、農業貿易に有利であること、③農業従事者の多いことなどですが、長い間、政治的理由で限られた農業生産に終始してきました。ところが、最近加盟しているOECD, APEC, NAFTAなどの自由貿易体制でのマーケットの広がりは、内需を満たすに過ぎなかった農業生産地帯に、新しい変革が起こりつつあります。カンキツ生産では、どのように変化しているのか、調べてみました。

mexicoメキシコ生産
mexicoメイズ

1)カンキツ生産地の広がり
 現在、メキシコの果樹面積の最大はカンキツで、50万haほどに拡大しました。中でも、オレンジの面積は、1990年17.6万haだったものが、2010年には33.5万haとなり、2倍程度栽培地が広がりました。この間、小麦やトウモロコシの面積が70万ha程度で変わらなかったところをみると、カンキツ作りへの熱が大きくなり、園地の拡大になった模様です。

mexico東園1

 統計では、オレンジの主産地はヘラクルス州で、50%程度を占め、次いでお隣りのタマウリパス州となっています。いずれも、メキシコ湾沿岸の熱帯地域にあり、雨も多く灌水を必要としない地域です。衛星写真では、この沿岸域は多くの小高い丘陵地となっているらしく、緩やかな丘に営利園地が広がっていました。また、背後のサンルイスポトシ州やヌエボレオン州など、沿岸から内陸に広がる亜熱帯地域にも、まとまった営利園地がみられ、東南部の広域にカンキツ栽培が広がっていました。

mexico西縁1

 また、カリフォルニア湾沿岸のソノラ地域にも、新しい営利園地がみられ、アメリカの加州式の広面積植栽園が認められました。西沿岸地は極めて乾燥し、砂質のステップ地域ですが、灌水施設さえ整えれば好適なカンキツ産地となるようです。この地では、果汁産業に適さないネーブルオレンジを生産しているようです。
 このように、東海岸沿岸地に加えて、背後の傾斜地に広がり、さらには、西海岸沿岸地にカンキツ栽培面積を、この10年で広げた模様でした。

mexico輸出 - コピー

2)果実輸出の拡大
 メキシコは、北米貿易協定(NAFTA)1994年の加盟以降、アメリカとカナダに、大量の生鮮食料の輸出が行えるようになりました。勿論、総貿易そのものはアメリカ依存度が大きく、多くの製品を輸入しているのですが、生鮮食料の輸出は確実に増大しています。中でも、アボカド、ライム、バナナの輸出量が顕著で、このあとはカンキツ類が増大することが予想されます。
 これまで、日本はアメリカのカンキツを中心に多様な果実を輸入してきましたが、メキシコからは、アボカドとライムを輸入してきました。日本でも栽培可能な果樹ですが、営利的には可能性はありませんので、日本では産地形成に至っていません。これからも、メキシコ輸出に依存する果物でしょう。

mexico日本輸入

 メキシコが民生国家となったのはほんの2006年のことで、まだまだ政治的問題がありそうです。これからは豊かな気候、多様な鉱物、油田、広大な土地、豊富な労働力をうまく活用して、先進化が図られるのではないかと思われます。アメリカへの不法移民問題や国境の壁など深刻な報道の多い中で、先進化などといえる状況ではないのかもしれませんがーーーー。

過去関連記事:メキシコの果実生産の動向:10/07/13
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