キトロロギストXの記録
激しく変化する昨今のもとで一生をカンキツ研究に捧げてきた老学者の独白を広く一般のカンキツ愛好家(キトロロマニア)に聞いていただきたくブログを開設しました。お閑な時にどうぞ目を通してください。
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タンカンの果実隔壁膜の硬さを測る
tankanタンカン果実

 タンカン(桶柑)は、中国広東省あたりで偶発実生として生まれた自然交雑品種で、華南、台湾などで古くから栽培されてきました。ところによって、蕉柑とか年柑とも呼ばれています。日本には、明治30年に苗木で導入されました。良品果の生産には高い熱量を必要としますので、栽培は鹿児島県の亜熱帯地域に限られ、現在、屋久島の特産品種となっています。ポンカン(椪柑)の生産が、2万5千トン程度あるのに対して、タンカンは5千トン程度と少なく、東京のマーケットではめったにお目にかかりません。屋久島のタンカンが送付されましたので、袋の側壁膜の硬度を測定してみました。

tankan硬度

1)側壁膜の硬度
 果重115g程度の果実の側壁膜の硬度は、平均で2.5kg/cm2でした。ポンカンの4kg/cm2と比べるとかなり低い値でしたが、ポンカン同様に、袋ごとはすべて食べにくい果実でした。一部のウンシュウミカンのように、袋ごと食べれるのは、やはり1㎏程度の硬度が限界のようです。
 
tankan形質相関

2) 側壁膜の硬度と果実形質との相関
 側壁膜は、果実の形質の一つですので、その他の形質との相関係数を求めてみました。その結果、果実側壁膜の硬度と、果形、1次油胞数、袋数などとはマイナスの相関関係、果皮の厚さとはプラスの相関関係にありました。タンカンは豊円な形をしていますが、それでもより扁平な果実ほど、柔らかい膜となっていました。

tankan解剖相関
tankan棒細胞列


3)側壁膜の硬度と側壁膜組織形質との相関
 側壁膜はこれまでの品種と同様に、すべて棒状細胞で構成されていました。そこで、側壁膜の硬度と、側壁膜の厚さ、あるいは棒状細胞の幅との相関関係を求めてみましたところ、いずれとも相関関係が認められませんでした。ポンカンと同様に、細胞膜の肥厚が極めて顕著でしたので、組織構造との相関が乱されているものと思われました。

tankan収量

 順調に伸びてきたタンカン栽培でも、この5か年来、生産が落ちてきています。品種のマーケット寿命に達したのかどうか、確かめる必要がありそうです。最近の品種間競争に打ち勝つためにも、消費者の求める商品作りに、さらなる努力を必要としています。袋ごと食べれるようになるといいのですが。
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