キトロロギストXの記録
激しく変化する昨今のもとで一生をカンキツ研究に捧げてきた老学者の独白を広く一般のカンキツ愛好家(キトロロマニア)に聞いていただきたくブログを開設しました。お閑な時にどうぞ目を通してください。
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みかん果実の袋膜のペクチン量
pectinmikan袋と膜2

 みかん果実は、果皮のフラべド、アルべド、果肉の袋膜、果肉ベシクルの四つの組織部に分かれます。通常は、果皮をむいて、さらに袋膜をむいてベシクルを食べるか、袋ごと食べて硬い膜部分を吐き出しています。柔らかい膜を持つときは、袋ごとみかんを食べれますが、このときどの程度の量の栄養を多く摂れるのか調べてみました。フラボノイドに次いで、ペクチン量について、検討してみました。ペクチンは、さきの記事(既ブログ記事、16/12/20)のようにおなじみの成分です。食物繊維であって、これを食べることで、腸を整え、便秘の予防に役立ちます。

pectinmikan含量
pectinmikan式

1)組織別のペクチン含量
 みかんは、すでにみましたように極めてペクチンに富む果実です。組織別には、果皮に多く、3-4%みられ、袋膜には5-7%とさらに多く含まれていました。しかし、ベシクルには極めて少なく、0.1-0.3%でした。ベシクルとともに袋膜まで食べれることになると、ペクチンを相当量多く摂取できることが分かりました。
 ペクチン質には水溶性成分と不溶性成分があり、すべて細胞膜外の細胞間に存在しています。ペクチン酸の一部が、メチルエステル化された構造をしていて、無色、無味、無臭の非結晶の物質です。分子量はまちまちで、数百万の巨大分子となっています。水には、粘性の親水コロイドとなり、負に荷電しています。ジャムつくりのヒトにはおなじみですが、糖や酸を加えるとゲル化して、固形となります。

pectinmikan産地別

2)系統間、産地間の含有量の差異
 袋膜のペクチン量と、ベシクルのペクチン量を、系統の違い、産地の違いで比較してみました。ハウスミカン、銘柄産地の早生温州、普通温州、東京鶴川産の早生温州、普通温州、さらに晩生の青島温州について、すべて100g果に換算した場合の、ベシクルと袋膜のペクチン量を比較しました。
 その結果、ハウスミカンと早生温州では、袋膜とベシクル膜ではほぼ同じ量のペクチンがあるのに対して、普通温州、青島温州では、ベシクルよりも数倍のペクチンを摂取できることが分かりました。とくに、晩生のミカンで、多くみられたことは新しい知見でした。

pectinmikan-産地別

3)月別のハウスミカンの袋膜のペクチン量
 同じように、ハウスミカンの100g果に含まれるペクチン量を、月ごとに求めてみました。その結果、ベシクルや果皮では量的に変わらなかったのですが、袋膜では晩期のハウスミカンほど、多くのペクチン量が認められました。成熟期間はほぼ同様ですので、ペクチンの生成量は、生育季節で左右されているようでした。

 ペクチンなど食物繊維は、ヒトの消化器官で分解できません。それでも、食物繊維がヒトの6大栄養素に加えられている理由は、健康増進に貢献できることが分かってきたからでしょう。とくに、水溶性のペクチンについては、便秘だけでなくいろいろな生活習慣病との関係が、はっきりしてきました。糖尿病、コレステロールの高脂血症、動脈硬化、心臓病などへの予防効果が、報告されています。1日に2グラム程度が適量との報告もみられますので、袋膜からの摂取はばかになりません。できたらみかんは袋ごと食べましょう。
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