キトロロギストXの記録
激しく変化する昨今のもとで一生をカンキツ研究に捧げてきた老学者の独白を広く一般のカンキツ愛好家(キトロロマニア)に聞いていただきたくブログを開設しました。お閑な時にどうぞ目を通してください。
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みかん果実の袋膜のビタミンC含量
asucomikan袋

  みかんを袋ごと食べたとして、果たしてどの程度のビタミンCを、通常の果肉のベシクルだけ食べる場合より余計にとったことになるのか、検討してみました。みかんといえばビタミンCを連想するほど、おなじみの物質ですが、常用名をアスコルビン酸といいます。化学構造式は、先のフラボノイドやペクチンに比べて単純です。
  アスコルビン酸には、酸化型と還元型がありますが、みかんではほとんど還元型アスコルビン酸となっています。体内代謝で酵素的に壊れると、蓚酸や酒石酸などに分解されます。日本人には1日に100mg程度の摂取が必要とされていて、その給源のほとんどは、みかんなど生鮮食物からとられています。袋膜のビタミンC量を調べてみました。

asuco器官別

1)袋膜とベシクルのビタミンC量
 みかん果実の組織別に、新鮮重100gあたりのビタミンCの含有量を求めましたところ、果皮174mg、袋膜136mg、ベシクル34mgの平均値を得ました。最も多かった果皮では、アルべドよりフラべドに多くみられましたが、アルべドにより多い場合もありました。
 100gの果実を食べたとしますと、袋膜からは平均値として7.0mgを、ベシクルからは23.6mgのビタミンCが摂取できることが分かりました。

asuco推移

2)果実成熟とビタミンC量の変化
 果実成熟期の10月以降のビタミンC含有量は、経時的に増大しました。収穫までの2か月間に、果汁では4倍程度、果皮では5倍程度の増加をみせました。オレンジでは、ビタミンC含量が収穫期に近づくほど減少するといわれていますが、みかんとは事情が異なることを知りました。

asuco系統

3)産地・系統別のビタミンC量
 同じ100gの果実を食した時のビタミンC摂取量は、ベシクルでは早生系統ほど多く、一方、袋膜では晩生系統ほど多くとれることが分かりました。このことから、ビタミンCへの袋膜摂食のメリットは、晩生の系統または晩採果ほど大きいくなるものと思われました。

asucoハウス

4)ハウスミカンの月別のビタミンC量
 収穫月を異にするハウスミカンの100gの果実を食した時のビタミンC摂取量は、ベシクルではどの月も25mgほどで、ほとんど同じようでした。しかし、袋膜では8月、9月採取のハウスミカンで、ビタミンCをより多くとれることがわかりました。

asuco化学式

 ビタミンC(アスコルビン酸)の同定は、1928年と早く、分析法も比較的簡単なために、古くから多くの報告がみられました。カンキツでは、その含量が、栽培種、発育度、部位、作型、栽培条件などの違いで大きな違いをみせ、また、貯蔵、流通上での減少の度合いの違いが認められました。ビタミンCのヒトへの必要性については論をまたないところですが、問題は、体内に留まることのない性質上、毎日補給する必要性があることでしょう。健康維持のためにも、袋ごと食べるみかんのように、毎日少しでも多くのビタミンCの摂食を心掛けたいものです。
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