キトロロギストXの記録
激しく変化する昨今のもとで一生をカンキツ研究に捧げてきた老学者の独白を広く一般のカンキツ愛好家(キトロロマニア)に聞いていただきたくブログを開設しました。お閑な時にどうぞ目を通してください。
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アフォーラ果実の側壁膜の硬さを測る
ahoramaku-あほら果実
 
4月末にアフォーラが1果50円で売られていました。カリフォルニア産でW.マーコットの名がついていて、本来の果実より小果でした。輸送臭があり、貯蔵青島温州の比ではありませんでした。アフォーラは、本来、みかんに匹敵するほどマンダリンとして優れた品種ですが、異常気象で品質を発揮できなかったものと思われます。果実側壁膜の硬さを測定してみました。

ahoramaku硬度序列

1)側壁膜の硬度
 果実の側壁膜の硬度は、平均で3.38kg/cm2ありました。静岡産貯蔵青島の4.29kg/cm2よりや低いものでした。袋ごと呑み込むのは困難でした。早生温州のように呑み込める、1kg/cm2以下の膜硬度を示す果実はありませんでした。

ahoramaku形質相関

2) 側壁膜の硬度と果実形質との相関
 側壁膜は、果実の形質の一つですので、膜硬度とその他の形質とのあいだの相関係数を求めてみました。その結果、膜硬度は、袋の高さを除いて、ほとんどの形質と相関関係にありませんでした。

ahoramaku解剖相関
ahorakaku細胞配列

3)側壁膜の硬度と側壁膜組織構造との相関
 側壁膜の硬さと、側壁膜の厚さや棒状細胞の幅との相関係数を求めてみました。その結果は、側壁膜の硬度は側壁膜の厚さとの相関関係は弱かったものの、棒状細胞の幅とは正の相関関係にありました。棒状細胞の幅には、細胞の幅と細胞外のペクチンやセルロースなどの肥厚物質の厚さが関係していますので、棒状細胞が太いか、肥厚の大きい側壁膜ほど、高い硬度を示しました。また、硬度は果皮の油胞密度と相関し、1次油胞が多いほど、側壁膜の硬度は低いといえました。

 同時期に売られていた貯蔵青島温州の側壁膜の硬度が、細胞幅が狭いほど高かったのに対して、アフォーラでは、細胞幅が広いほど高いという真逆の結果となりました。このことから、側壁膜の硬度の高低には、単に膜が薄いかどうか、また、構成細胞が太いかどうかに加え、細胞間隙に沈着しているセルロース、ペクチンなどの肥厚物質が関与していることを推定できました。

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