キトロロギストXの記録
激しく変化する昨今のもとで一生をカンキツ研究に捧げてきた老学者の独白を広く一般のカンキツ愛好家(キトロロマニア)に聞いていただきたくブログを開設しました。お閑な時にどうぞ目を通してください。
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清見果実の側壁膜の硬さを測る
kiyomimaku清見果実断面

  デコポン(清見×ポンカン)の母親の清見を6月1日に購入しました。愛媛県で貯蔵した果実でしたが、貯蔵臭は強くありませんでした。さっそく、デコポンと同様に、果実側壁膜の硬度を測定し、解剖して特徴を調べてみました。

kiyomimaku-硬度比較

1)側壁膜の硬度の差異 
 清見の果実側壁膜の硬度は、1.2㎏/cm2から4.4㎏の範囲にあり、平均値は2.5㎏でした。デコポンのそれ(2㎏)より高いものでした。袋ごと食べるには難がありました。果肉が極端に柔らかく、このことで、袋を噛んだ時に、袋の存在を強く感じさせました。

kiyomimaku糖度硬度

2) 側壁膜の硬度と果実形質との相関
 側壁膜の硬度と、果実の形質との関係をみるために、相関係数を求めてみました。その結果、硬度は、果重、袋重などの諸形質との間で相関関係にありませんでした。

kiyomimaku解剖相関
kiyomimmaku細胞幅1

3)側壁膜の硬度と側壁膜組織構造との相関
 側壁膜の硬さは、構成細胞の棒状細胞の厚さや強さ、さらには、細胞同士の接着の強さに左右されているものと思われます。そこで、側壁膜の硬度と、棒状細胞の幅、または、側壁膜の厚さとの相関関係をみましたところ、硬度は棒状細胞の幅や側壁膜の厚さとに間に、相関関係にないことが分かりました。硬度は、組織構造以外のセルロースやリグニンなどの沈着物質に関係していることが予想されました。

 食感としての食べ物の硬さは、なかなか複雑で、口内での砕け易さ、粘着性、喉ごし性など、異なった視点からの検討が必要のようです。そのため、側壁膜の硬さを、硬度計の測定値ですべてを表現するにはカンキツの場合難があります。清見には、袋ごとのみ込めるほどの柔らかい側壁膜は、ないものと思われました。
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