キトロロギストXの記録
激しく変化する昨今のもとで一生をカンキツ研究に捧げてきた老学者の独白を広く一般のカンキツ愛好家(キトロロマニア)に聞いていただきたくブログを開設しました。お閑な時にどうぞ目を通してください。
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ミネオラ果実の袋側壁膜の硬さを測る
mineo果実
 
 ミネオラは、1911年にダンカングレープフルーツにダンシータンゼリンを交配して育成したフロリダ生まれの品種です。米国では有望な品種として、これまで普及、栽培されてきました。ウンシュウミカンより多くの熱量を必要としますので、日本では栽培されていません。輸入ミネオラを80円で購入しました。さっそく、果実袋の隔壁膜の硬度を測定してみました。

mineo硬度

1)側壁膜の硬度
 果実の側壁膜の硬度は、平均で2.81kg/cm2ありました。静岡県産の青島温州3.21kg/cm2よりやや低い値でした。袋ごと呑み込むのは困難でした。袋ごと呑み込める1kg/cm2以下の膜硬度を示す果実はありませんでした。また、極めて柔らかい果肉と、側壁膜の硬さの違いに大きな開きがあり、呑み込むのに違和感がありました。

mineo形質相関

2) 側壁膜の硬度と果実形質との相関
 側壁膜は、果実の形質の一つですので、膜硬度とその他の形質とのあいだの相関係数を求めてみました。その結果、膜硬度は、ほとんどの形質と相関関係にありませんでした。

mineo解剖相関
mineo細胞幅1

3)側壁膜の硬度と側壁膜組織構造との相関
 側壁膜の硬さと、側壁膜の厚さや棒状細胞の幅との相関係数を求めてみました。その結果は、側壁膜の硬度は、側壁膜の厚さと弱いマイナス相関に、また、棒状細胞の幅とは、正の高い相関関係にありました。棒状細胞の幅に、細胞外のペクチンやセルロースなどの肥厚物質が厚く沈着し、細胞の幅を厚くしていました。細胞の幅は、厚さが14.7μmと厚く、青島温州の10.6μmより厚いものでした。

 側壁膜の硬度の高低に、膜が薄く、構成細胞の太い構造が低硬度となるだろうという単純な予想は、ミネオラでもあたりませんでした。やはり、細胞組織の違いに加え、細胞間隙のセルロース、ペクチンなどの肥厚物質の沈着状況が、側壁膜の硬さに関与していると推定できました。
 ミネオラは朱橙色の外観がきれいなのですが、味が薄く、アフォーラ(加州産はW-マーコット)の比ではありません。また、剥皮時に油胞からの精油で手を汚しますので、手を汚さないことを心情としている日本人には、受け入れにくいと思っています。

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