キトロロギストXの記録
激しく変化する昨今のもとで一生をカンキツ研究に捧げてきた老学者の独白を広く一般のカンキツ愛好家(キトロロマニア)に聞いていただきたくブログを開設しました。お閑な時にどうぞ目を通してください。
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オーストラリア産のアフォーラの側壁膜の硬度
afora果実

 偶発実生として発見されたモロッコ生まれのアフォーラマンダリンは、マーコットとクレメンチンの自然交雑品種とみられています。モロッコでは1000ヘクタールほどに栽培されている模様ですが、イタリアはじめ地中海沿岸地で人気のあるマンダリン(皮の剥き易い)です。
 カリフォルニアでは、1993年レリーズされて以来生産が伸びていて、日本にW.マーコットの商品名で輸出しています。豪州では2000年以来栽培が活発となり、8月から10月に香港、日本、中国、中東、シンガポールなどに、船便で3週間程度かけて輸出を伸ばしてきています。8月16日に1果70円で売られていましたので、側壁膜の硬度を測定してみました。

afora硬度序列

1)側壁膜の硬度
 側壁膜の硬度は2㎏から5㎏/cm2に分布し、平均が3.47㎏/cm2の硬度を示しました。7月、8月のハウスミカンが2.36㎏/cm2程度の硬度でしたので、かなり硬い膜でした。袋ごと食べることはかないませんでした。糖度が低く、酸味も高く、本来のアフォーラらしくない果実でした。

afora形質相関

afora膜列

2)側壁膜の硬度と諸形質との相関関係
 側壁膜の硬度と果重などの形質量との間には、高い相関関係はほとんどみられませんでした。しかし、側壁膜の棒状細胞の幅とやや関係がみられ、細胞幅の厚い膜が高い硬度を示すことを知りました。側壁膜の厚さには、140から400μメータの幅があり大きな違いがみられたのに、硬度と膜厚との相関関係はみられませんでした。

afora解剖形質
afora隔膜2

3)側壁膜の細胞数と諸形質の相関関係
 そこで、側壁膜の厚さを棒状細胞の幅で除した値(膜層細胞数)を側壁膜の細胞数とみなして、この値と、袋の重さ、ベシクル数、棒状細胞幅、側壁膜の厚さとの相関関係を求めてみました。その結果、側壁膜の細胞数が多いと、袋重が重く、ベシクル数が多く、膜が厚いことが分かりました。一方、棒状細胞幅とはほとんど相関関係を示していませんでした。
 このことは、カンキツの場合、細胞数は6月までに決定していますので、袋重、ベシクル数、側壁膜の厚さは細胞の数が成熟果の形質量に影響しているのに対して、棒状細胞幅は果実の生育後期に影響を受けている形質とみなせることを物語っています。やはり細胞の肥厚が、硬度に影響していることが伺えました。

afora園地豪

 アフォーラの印象はウンシュウミカンに似て、日本人には最も受け入れやすいマンダリンと思っています。今回は、気象不順のせいかとてもハウスミカンの品質に及びませんでした。東京のカンキツの品薄のマーケットでは、グリーンハウスみかんと競合していました。
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