キトロロギストXの記録
激しく変化する昨今のもとで一生をカンキツ研究に捧げてきた老学者の独白を広く一般のカンキツ愛好家(キトロロマニア)に聞いていただきたくブログを開設しました。お閑な時にどうぞ目を通してください。
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みかんの10年後の収量予想
suitei果実全体

suitei-推定収量

 果樹の中で、みかんほど収穫量の変遷した品目はないでしょう。昭和47年ごろまでに370万トン程度まで増産したのち急激な減少をみせ、今日まで(40年後)に80万トン程度まで低下してきました。みかんの生産不振のために、日本の果実全体の生産量が伸び悩んでいます。国民食のみかんが、これからどうなるのか、10年先を見据えた収量予測を試みました。

suitei果実写真

suitei推定面積

suitei反当収量

1)傾向線による10年後の推定収量
 農林水産統計のデータを、平成元年以降のみかん栽培面積と収穫量について時系列でみますと、面積については2次曲線が適合しました。そこで、平成40年(2028)時をあてはめますと、3.82万ヘクタールという数値が得られました。
 収穫量については、気象の影響やみかんの隔年結果習性などからスムースな時系列線が得られないので、年次毎の収穫量を面積で除した反当収量として曲線にしますと、平成以降は2.1トン程度の反当収量で推移してきたことが伺えました。したがって、平成40年のみかんの収穫量は、反当収量2.1トンに推定面積3.82万ヘクタールを乗じた値である 80.2万トンを推定値として示すことができました。

suitei農家戸数
suitei減衰比率

2)10年後の推定みかん主要栽培地域
 老齢化、産業構造変化など変化に富んだ日本列島では、農業生産物の特産地も大きな変動をみせています。みかんの作り手の戸数を昭和45年から地域別にみますと、どの地域も今日まで急激に減じてきたことが分かりました。作り手がいなければ、収穫は期待できません。
 しかし、みかん農家戸数の減衰の様子は、地域によって異なっていました。関東、東海、近畿のように、比較的に減衰のゆっくりした地域と、九州、四国、中国のように急速に減衰している地域がありました。
 そして、前者がみかん中心の地域として、後者はデコポン、紅まどんななどみかん以外のカンキツ農家として変貌していることが伺えました。温暖化の進む中で亜熱帯化している後者の地域は、鹿児島のようにみかん以外のカンキツの特産化をはかることが、地域振興につながっていると思われました。

suitei系統

3)10年後の収量構成のみかんの推定系統
 みかんの収量(2015)を構成している早生:極早生:ハウス:普通温州のっ在の割合は、38:18:1:43となっていました。この割合は、時系列曲線から推して平成40年には30:27:1.7:41となることが推定されました。10年後には、極早生温州とハウスミカンの生産が、相対的に重要になることが予想できました。宮川早生ファミリーの重要性が、ますます高まりそうです。

 1990年に収量予測法という記事を書いたことがありますが、最近の異常気象のために、回帰法による収量予想が難しくなっております。傾向線から得られた10年後の収量(80.2万トンの)予測が的中するかどうか楽しみにするところですが、いずれにしても、ウンシュウミカンが10年後のカンキツ栽培の中心であることには変わりはなさそうです。国民食となったみかんを、さらに品質を上げて、健康に応えましょう。
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